闇の子供たち (幻冬舎文庫)梁石日 ¥ 720 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
闇の子供たち (幻冬舎文庫) | |
| 児童売春・臓器売買など、貧しい国を取り巻く状況は確かに深刻なものである。 子供を愛している親でも、生活ができないから子供を売るしかない。 貧困問題は複雑であり、国際援助で金だけ送れば解決するような生易しいものではない。 それは分かる。 が、これは小説。 上記のような問題をどのように物語の中に組込み、キャラクターを配するかが作者の腕の見せ所。 今作では、正義役、悪役の2パターンのみを用意しひたすら正義側の苦闘と子供達の悲劇ばかりを繰り返すだけの構造にしかなっていない。 理想論ばかりを繰り返し、行き当たりばったりの行動を繰り返す主人公達には、正直うんざりしてしまう。 また、これだけ単純な構造にしたにもかかわらず、最後をまとめ切れず、キャラクターに無茶苦茶な言動だけとらせて終わりにしてしまっている。 作者の正義感をキャラクターの口から言わせるだけならば、小説などにせず、オピニオン誌などに載せればいい筈である。 きつねうどんを頼んだつもりが、油ぎとぎとのとんこつラーメンが出てきたみたいで、悪い意味で期待を裏切られたと言わざるを得ない。 幼児売春の残酷な描写のセンセーショナルさに頼りすぎなとこ... | ||
アカペラ山本文緒 ¥ 1,470 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
アカペラ | |
| 待望の山本さんの中篇集新作であるが、これはまだ山本さんが病から完治していないときにかかれたものだろうか。3編ともこれといった盛り上がりがなくて(でも「プラナリア」に通じるものは感じる)読後感があまりすっきりしないのは、もしかしたら題材にあまり現実感がないからかもしれない。 そのなかでも私がすきなのは「ソリチュード」。ダメ男だけどイケメンでそこそこお金も稼げて努力もしていて、でも地に足のつかない「スナフキン」な生活を送っている。主人公の春一を守り立て居場所をあたえているのは周りの女たちではなく、田舎の金持ちで一見ちゃらちゃらした武藤であることが、最後に春一が「新しく買ったばかりの携帯電話」で連絡をとるところからわかる。居場所のない孤独を「ロンリネス」ではなく「ソリチュード」と題したところがニクイ。 最後の「ネロリ」は、せっかく「ネロリ」というアロマの粋な小道具を使っているのに、なんか中途半端な登場のしかたしかしてこなかったのが残念。すごく。 でもどの作品も独特の山本さんの「切りかえし(斬り返し?)」は健在。 寡作でもいいから、「山本ワールド」味わえる作品を期待します!! 私はバッ... | ||
かんじ飛脚 (新潮文庫 や 54-3)山本一力 ¥ 780 通常24時間以内に発送 |
かんじ飛脚 (新潮文庫 や... | |
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遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)柳田国男 ¥ 500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
遠野物語―付・遠野物語拾遺... | |
| 遠野物語と遠野物語拾遺を合わせて299話の短編集、一話平均約400字。 遠野物語は、民間信仰、栄枯盛衰、山中での出来事、妖怪、動物、行事、昔話など素朴な話が集められている。みな懐かしい感じがし、お伽やグリム童話といった説話のような説教じみた堅苦しさはない。話からは間接的に当時の人々の考え方や習俗、道徳観が伝わってくる。古今の文化の変化を考えると興味深い。民俗学の重要な史料となっている事も頷ける。 拾遺は題名のごとく残りの雑多なものという感じである。たとえば、当時(明治から昭和初期)の流説も混じっているようである。今で言う「口裂け女」「ターボじじい・ジャンピングばばあ」「こっくりさん」のようなもの。これはこれで当時の風俗を垣間見たようで面白い。あるいは、「先祖伝来の、開けると目がつぶれる箱、なるものを今の代の主人がどうしても見たくて開けたら、布が入っていただけだった。」という話では、近代化に伴い、未知に対する畏怖の消失が現れている様で興味深い。 1909年(明治42年)から1910年にかけて、当時30代半ばの柳田国男氏が、奥州は遠野の人・佐々木鏡石氏(当時24〜25歳)から聞... | ||
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 700 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇... | |
| 事故当時、中学生でしたが、この墜落事故は鮮やかに覚えています。この御巣鷹山篇の冒頭の管制室の緊迫したやりとりで、当時の記憶がよみがえってきました。乗客の、家族の、救援者の、そして管制室の、事故にかかわってその無事を思った人すべての無念と、絶望を思うと、想像を絶します。また、被害者への応対についても、あまりにも家族の気持ちを踏みにじる補償の進め方に、憤慨しました。関係者の無念、家族を失ったことの空虚な思い、こういったことに想いを馳せると、読んでいて涙が止まりませんでした。 前篇でアフリカから呼び戻され、幸福の兆しが垣間見えたかに思えた主人公の恩地もまた、この事故にかかわります。一度狂った歯車が、狂い続けている状況に直面し、読者の私もやるせない気持ちになりました。作品中では、一企業がここまで執拗に一個人に対して報復をするのかという調子で書かれていますが、恩地の扱いが永田町でも話題だと書かれていた文章を見逃すことができませんでした。つまりは、企業のみならず、一国家が恩地に対する攻撃を後押ししていたということです。ふとしたきっかけで職責を果たしたばかりに「アカ」のレッテルを貼られ、一企業... | ||
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 700 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇... | |
| パキスタン、イラン、ケニアと、恩地の海外たらい回しの旅は続く。 組合の副委員長として共に闘った同期の行天は会社側に寝返り 順調に出世を重ねていく。 そんな中、1972年に国民航空の旅客機がニューデリー、ボンベイ、 モスクワと連続して事故を起こす。事故調査班として現地に派遣 された国民航空社員の苦闘が書かれる。 しかし、事故原因をパイロットのミスとする社員の考えは無視され、 会社には空港設備の不備であるとの報告が出される。また、事故 原因調査に同行したパイロットが、同じパイロット仲間を擁護する ため、自分の目で見た事実を信じず、執拗に仮定の想像を繰り返し、 空港設備に責任を求める姿にはあきれてしまった。 このような体質が、日本航空(作中では国民航空)123便墜落事故 に繋がって行ったのではないだろうか。 やがて、恩地に日本帰国の話が出てくる。しかし、それは会社側が 折れた訳では無く、連続事故の背景に国民航空の労使関係が影響 しているのではないかと国会で追及されたからであった。会社として は、更なる僻地へ追いやる計画もあったようだ。 家族との別れ、出世を重ねるかつての仲間、海外... | ||
Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖 11 (11) (ヤングマガジンコミックス)せがわまさき 山田風太郎 ¥ 560 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
Y十M(ワイじゅうエム)~... | |
| 最終巻です。 長い復讐劇もやっと終わりです。 この漫画シリーズ全体の評価としては星五つでも足らないかな・・と思うのですが、最終巻にはちょっと思う所があるので星三つです。 率直に言うと、どうも最終巻にしてはあっさりしすぎているような気がします。 前巻で捕らわれた十兵衛ですが、ここからどうゆう展開を見せるのかと思いきや、あっさりラスボスを斬っちゃいます。 まあ、こんな書き方するほど薄い内容じゃないですが、ちょっと展開が早いかと・・。 一悶着あった後おゆらが死に、自暴自棄(?)になった芦名銅伯がすべて道連れにしようとするが十兵衛にバッサリ・・。 ・・・なんかもうちょっといいシーンが欲しかったです。 期待した十兵衛と漆戸虹七郎との戦いも、わずか刀一振りで終了。 堀一族の女達も最後わずかな出番しかなく、しかも活躍シーンすらない・・。 また最後、復讐がやっと終わったのに十兵衛とお千絵達の別れも至極あっさりしており、十兵衛への恋心はどこにいったのか・・? なんか最後は急いで終わらせようとしているといった印象を感じました。 好きな漫画だっただけに、ちょっと残念な終わり方です。 でもまあ、やっぱり面白... | ||
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)梁石日 ¥ 680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫) | |
| 妻の英姫に資金を用意させ、蒲鉾工場を立ち上げる金俊平。 それにしても英姫は生活力がありますね。 金俊平なんかと関わらなければ一財産築けたのではないでしょうか。 自分の子供たちにも昼夜を問わず働かせるが、工場で得た金は 家族の為には一切使わない。 相変わらず、自分の好きなように生きる男です。 その奔放な生き方が鮮やかだった分、晩年の境遇はいっそう哀れに感じる。 最後の愛人である定子やその子供たちは酷い人間だと思ったが、 定子だけの問題では無く、妻の英姫や子供たち、定子の前の愛人である 清子にしてきた事の報いではないだろうか。 自分の長男である成漢に「チャネ(あんた)、チャネ(あんた)」と呼びかける金俊平。 そして人生最後にして最悪のバッド・チョイス。 人間の業を感じさせます。たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう... | ||
日本の昔話 (新潮文庫)柳田国男 ¥ 380 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
日本の昔話 (新潮文庫) | |
| やはり「まんが日本昔ばなし」を毎週見ていた私のような世代には、どれも聞いたことのあるようなお話で、楽しめました! 昔話というか、笑い話のようなお話も含め、1ページにも満たないようなお話がたくさん入っています。 なので、手軽に、気軽に、さくっと読めます。 もちろん難しいお話はほとんどありませんので、小学生の方々にも読みやすいのではないでしょうか?「桃太郎」や「金太郎」ほどのビッグネームではないが、それでも誰もが一度は聞いた事のある昔話というのはあるだろう。 例えば「猿の尻尾はなぜ短い」とか、「くらげ骨なし」とかいった昔話だ。この本はそういった短編の昔話を沢山集めた一冊だ。 この本に登場する昔話は殆どが1ページ以内で終了するものばかりである。数ページをまたぐものは少ない。だから読みやすいのである。読みやすいので読書の苦手な人にも読めるだろう。そう思いながら読んでいると、かつて子供の頃に読んでいた頃の記憶を掘り返すかのようであった。それはあの頃に読んだものの復習をするようなものであろう。いわゆる「物語好き」な人にとっては少々物足りなく感じるかも知れません。 なぜならば、柳田版の拾遺集であり... | ||
お神酒徳利 (深川駕篭) (祥伝社文庫 や 12-3)山本一力 ¥ 700 通常24時間以内に発送 |
お神酒徳利 (深川駕篭) ... | |
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血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)梁石日 ¥ 680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫) | |
| 本当に凄まじい小説でした。 多少の誇張はあるにせよ、こんな人間が実在したのかと疑いたくなる様な壮絶な生き様。徒党も組まず一匹狼を貫く姿勢は、潔ささえ感じられる。自分以外の人間は例え血を分けた子供達であっても信用せず、家族は自分が生きる為の道具として見ないその冷徹さ。 全ての欲望に忠実で、生きるということにここまで貪欲である人間を知らない。 在日版「ベニスの商人」と言っても過言でない小説です。作者の実在した父親が モデルになっているだけあって、更に緊迫感が文章に漂わせています。 暴力と金しか信じないその姿勢は周囲の人々を不幸にし、結果、末期には老いと 病魔に勝てず衰退していく姿は儚さを感じます。 だけど、ヤクザ十数人とやりあったり、驚異の絶倫振り(この表現マズイか・・) 怖いものなしの金 俊平に憧れている自分がいます。 前々から梁 石日先生の物語はサイバーパンクSFに通じる、暴力性、猥雑さが 存在していると思っています。もし、梁先生が近未来ものを描いたら 伝説のSF「ドクターアダー」に匹敵する物が生まれるかもしれません。こんな人が家族にいたら絶対に嫌だよね。 近所にいるだけでも嫌だ。 ... | ||
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(... | |
| 組合の元委員長、恩地元を主人公とする物語は、事実上アフリカ篇 で終わる。 御巣鷹山篇では悲惨な航空機墜落事故そのものが中心と なり、会長室篇では新生国民航空に会長として就任した国見が主役と なる。 この作品は、「取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である」 と作者自ら言っている。作品のモデルとなった人物が、御巣鷹山の墜落 事故に直接関わっていなかった等の批判もあるが、あくまでもこの作品は 小説であり、作者の創作であると判断したい。だって、こんな航空会社が 実際にあったら嫌だもんね。 ただ、御巣鷹山編では墜落事故の状況や、その後の補償交渉まで、非常 に生々しく綴られている。作者の緻密な取材が伺われるが、リアリティーが 豊かな分だけ、この作品がノンフィクションではないかと誤解されるのでは ないだろうか。 会長室編のラストは、唐突に終わってしまった印象がある。 恩地や国見が聖人君子として描かれているのに対して、作品上の悪役 である行天四郎の方が妙に人間臭く、親しみをもてたりしてしまう。 魑魅魍魎にまみれた国民航空。しかし、国民航空は今日も飛ぶ。 国民の夢を乗せて。小説として... | ||
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 700 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(... | |
| 会長室編では、御巣鷹山の墜落事故後、組織の建て直しを図るため 首相に請われて国民航空の会長に就任した国見正之を中心として 物語が展開する。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。 国見会長は建て直しの手始めとして分裂している組合の統合を目指す。 整備士や機長など各部門から会社の現状について意見を聞くのだが、 その中で、「自分達の理想像」を熱く語る者はいても、「お客様にとって の理想像」を語る者はいない。 一例を挙げれば、ある機長が、「昨年ソウルで着陸復行をした際、乗り 合わせた大蔵大臣から機長のアナウンスが無かったと指摘された為、 オペレーション・マニュアルがアナウンスをするように改定された。 しかし、安全上、課業順位最下位とも言えるアナウンスを、神経を最も 使う着陸復行、最進入の途中で課すなど考えられない。このように我々 の立場にたって考えてくれない職制である」と憤る。 この機長は、自分達が乗せているのが荷物だとでも思っているのだろうか。 乗客の立場にたって考えてみれば、アナウンスも無く着陸復行をされたら 不安を感じるのは当然である。機長が忙しければパーサーがアナウンス す... | ||
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇... | |
| 実話を基にしたフィクションである物語の第1巻であるが、3巻以降は、話の内容が自分には、難しく、アフリカ編が1番楽しめた。フィクションとノンフィクションが混ざってるので、首をひねりたくなる箇所もあるが、完全にノンフィクションだと、小説としての面白さが半減するとおもうので、この手法でよかったと思います。しかし、3巻以降は、善人と悪人の区別がはっきりしすぎてたので、モデルの人物がいるだけに、悪人側で書かれた人は、かわいそうな面もあります。よって、星4つです。1巻〜3巻まではもう引き込まれるように読み耽りました。 特に3巻(御巣鷹山編)は圧巻で涙なしには読む事が出来ません。 そこで改めて、あの事故についてもっと知りたくなりいろいろと索してみました。 この本の事も色々と書かれていましたが、 一番驚いたのは現実の主人公は一切この事故とは関わりあっていない、という点でした。 実際の主人公は、「ご遺族との交渉係」を担当するどころか、 あの事故の翌月に自ら希望を出してアフリカへ戻っていたとの事で… もちろんこれは小説ですから、恩地自身があの事故やご遺族と関わりあっていかないと成り立たないのでしょうが... | ||
秀吉はいつ知ったか―山田風太郎エッセイ集成山田風太郎 ¥ 1,995 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
秀吉はいつ知ったか―山田風... | |
| 都市について、旅行記も収録されていますが、中心は歴史論と歴史人物論のエッセイです。執筆時期は作家としての円熟期にあたり、鋭さだけではない深みのある考察がなされています。 山風流の三傑解釈や英雄論はぴりりと辛口で痛快。 本書をふまえると『妖説太閤記』、『ラスプーチンが来た』、『柳生十兵衛死す』等がより楽しめるようになることでしょう。 さらに未刊行歴史短編「安土城」がボーナストラックとして収録されているので、お買い得。いつも素晴らしい仕事をなさる日下氏に感謝です! | ||
こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)河合隼雄 安部公房 白洲正子 山田太一 谷川俊太郎 ¥ 500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころの声を聴く―河合隼雄... | |
| 村上春樹、安部公房などの名前が載ってたので買ってみました。10人の日本を代表する文人との対話集なんだけど、対話のレベルが高いのでただの雑談めいたインタビューとはわけが違います。河合先生は、本という物、読むという行為について一人一人対話されてるのですが、わかり易く心理学をひきだして話されてるので非常に読み易い。村上春樹が普段語らない様な幼い頃の両親の記憶から小説家になるまでの経緯などを詳しく話してたりとか、その他にも勿論興味深く内容の濃い話ばかりで476円の割りにはかなり楽しめました。小説が好きな人なら、今まで以上に違う視点で読む事を楽しめるようになれる一冊です。河合先生はやっぱり凄い!そうそうたるメンバーとの対談集。それぞれの分野で極めた大先輩ばかりですが、人生や仕事に対する真剣さ・真摯さが伝わってきて、気合いが入ってきます。よし、やるぞ!という気持ちが湧いてきます。くよくよしそうになる時に読んでいます。気分爽快にります。読書歴が浅く、河合隼雄と安部公房が好きで買ったので、対話者の半分くらいは名前も知らない人達でしたが、それぞれの人達の個性がよく出ていて面白かったです。個人的に対話者... | ||
不毛地帯 (3) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 820 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
不毛地帯 (3) (新潮文... | |
| 三巻では、日本企業による海外進出の始まり(高度成長)と外資自由化を迎えつつある時代を背景に商社マンの戦いを描いていますが、個人的には、重厚長大な作品にあってやや中ダレしている気も否めません。 大人になって久しい今となっては、政治的駆け引きや寝技に重点が置かれ過ぎている気もしますが、これを読んだ少年当時は「商社マン」に憧れたものでした。 近畿商事が主導する千代田自動車とフォーク社の提携 がまとまりかけた矢先、東京商事の鮫島がフォーク2世 会長につけ入り、東京商事が仲介する東和自動車との提携を 決めてしまった。その理由が、鮫島が体長5メートルもある カジキマグロを釣り上げ、会長を感動させたから。w (ここの釣りの描写は結構好きです。凄まじさが伝わってきました。) 嗚呼、これも頑張っても報われないシリーズです。 で、近畿商事はというと、この案件はこの小説の主人公である 壱岐正がやっていたが、彼を良く思っていないライバルの 里井副社長が割り込み、案件を頓挫させてしまった。で、さらに 心臓病で倒れてしまう。 壱岐は結局無傷で、大門社長の信頼を逆に厚くさせることになった。。。 ちなみ... | ||
不毛地帯 (4) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 820 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
不毛地帯 (4) (新潮文... | |
| 四巻にして漸く最終巻。一巻あたり600ページ超、全巻で約2,500ページの超大作でした。読了する頃には達成感が得られます。 68年のいわゆる外資自由化(といっても50%までだったか)とニクソン・ショック(ドルの切り下げ)、そしてオイル・ショックなど、三巻に続き激動の時代を背景に商社マンの戦いは続きます。 勿論本作発表の時点では壹岐正のモデルとなった瀬島龍三の戦いは継続しており、現実には長年に亘り隠然と権力を握り続けていたわけで、小説の終わらせ方はちょっと美し過ぎますね。(モデルに遠慮したわけではないでしょうが。) その点で、最後に甘ったるくなってしまったきらいがありますが、かと言って権力・欲望世界にズブズブというのでは身も蓋もないので、難しいところでしょう。(エンディングが本作品の価値を下げるものではありません、念のため。)1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様... | ||
不毛地帯 (1) (新潮文庫)山崎豊子 ¥ 860 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
不毛地帯 (1) (新潮文... | |
| 資料無断引用疑惑の作家として山崎豊子さんの名前を知り、元伊藤忠副社長、瀬島龍三氏がモデルであるとして「不毛地帯」という作品を知り、結局、スキャンダルがらみであることで敬遠の一冊であった。 しかし今、個人的にもっと早い時期に読むべきだったと後悔している。これを読んでいれば、 ロシアの捕虜となりシベリア抑留を経験しても男は愚痴、泣き言を言わず・・の伝で、体験を決して語らず鬼籍に入ってしまった父をもう少し理解できたのにと残念でならない。 また、資料引用疑惑があろうとも、社会背景の緻密な描写力、骨太の構成の巧みさ、読者をひきつける話の展開などの作家技量は十二分に評価できる思った。際物と片付けられない作家の力に圧倒された。 ただし、登場人物の描写が善人、悪人と若干、平面的なのが気になったが、読後、私は彼女の他の作品への興味が湧いた。 山崎豊子のマスターピースの一冊。この本を読んで 商社に憧れ、入社した方も多いと聞く。 モデルが 先日亡くなった瀬島龍三である点は 有名すぎるほど有名だ。但し 本書が書かれた1970年代後半は まだ瀬島自身は伊藤忠商事に在籍中だ。後の土光臨調の前である... | ||
人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)山田風太郎 ¥ 760 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
人間臨終図巻〈1〉 (徳間... | |
| 歴史上の人物や有名人の最後の姿を集めた書物は数多くあるが、そもそもこれだけの数を集めたものは古今東西を問わず本書のみではないか。しかもその一つ一つが含蓄に富み、各人物の個性をも半ば描き尽くしている。生物学的な死の本体は一つであるが、その実相(現象面)は正に百人百様であることが実感として分かる。本当にすごい本である。 有名人の生涯の短い順番に並べたユニークな本である。 冒頭〈十代で死んだ人々〉八百屋お七(15歳)放火罪で火あぶりの刑。徳川時代でも前代未聞。大石主税(15歳)父内蔵助の命とはいえ、自らの意志で死を選んだ最年少の人。アンネ(16歳)『アンネの日記』ナチスのユダヤ人迫害で隠れ家で死す。天草四郎(17歳)島原の一向一揆の中心人物。さらし首になる。藤村操(17)日光華厳の滝に投身自殺。「巌頭の感」に〈人生不可解〉と記す。山口二矢(17歳)社会党委員長浅沼稲次郎を演説中短刀で刺殺。少年鑑別所で縊死。ジャンヌ・ダルク(19歳)英仏百年戦争中、白馬にまたがり仏軍の陣頭指揮。捕虜となり群衆見物の中、火刑。「神は人間を賢愚において不平等に生み、善悪において不公平に殺す(山田風太郎)」 (雅... | ||